この日記に出て来る本は、気づいたら実は既に映画になってましたという間抜けなケースが多いのです。いや~、どんだけ映画事情に疎いのか。今回の本も2020年に芦田愛菜主演で公開されてました…。(そう、安倍元首相事件の前だったんです。)
船橋最強の読書コラム第14弾は今村夏子「星の子」です。新興宗教の二世信者を繊細にやさしく内側から描いた2017年の作品です。芥川賞候補にもなりました。今頃、読んでるのは恥ずかしいけど、いやいや、これってまさに今読むべき本だよね、とも思います。主人公も両親も自然で善良でマジメでいい感じの人たち。一家を「普通」の形に矯正しようとするお姉さんやおじさんの方が絶対無理してます。実際、問題に思うのは一家が教団推奨のちょっとだけ高価な水しか飲まないことぐらい。(でも一家は少しずつ貧乏になっていきます…。やはり問題ありか。)主人公には教団以外の友達もいます。彼らはストレートに会話してくるので「外界」の情報はちゃんと入って来ます。でも彼らの話の方が変なニセモノ感がある気がします。一体、「正しい世界」ってどこにあるんでしょう。その辺は結構マジメに考えないといけないと思っています。(ちなみに今村夏子さんは私と同じ広島出身です。いや、これは全然関係ないですね…。)