梅雨!6月が雨季で鬱陶しいのは日本だけ。どうも欧米では6月はやけに爽やかな季節らしいじゃないですか。孤児院から貰われてきた赤毛の女の子が6月のカナダの家で泣きながら窓の外に見たのは満開の桜の白い花だったそうで…。芭蕉が見たらビックリですよね。(いや、芭蕉じゃなくてもビックリ。)

 ということで船橋最強の読書コラム第15弾はモンゴメリ「赤毛のアン」。翻訳した村岡花子さんが言うには「いかめしい顔をして事務所へ出かけた父親が鞄の中へ忍ばせて持って行った」ぐらい超面白い本なんですって。(あれ、俺?)

 孤児であるアンは孤独な少女期を自分を本当に分かってくれる「腹心の友」を求めて過ごします。孤独なのはマシュー、マリラという老齢の兄妹も同じ。そして3人の出会いはそんなに幸せなものじゃありません。勘違いと誤解と失敗は人生に付き物。アンはそんなマイナス要素のかたまりであると同時に想像力と知力と行動力というプラス要素のかたまりでもあります。殺人も戦争もない日常の中で波乱万丈の冒険物語が始まります。読んだことのない人はモチロン、子供の時に読んだことのある人もつべこべ言わずにもう一度読みなさい。いいですか、「赤毛のアン」は本当は子供が読む本じゃないんです。老いと死に直面したマシューとマリラの人生に対する万感の思いを感じ取れる大人の読むべき本なんです。(そうそう、サクラ繋がりじゃないんですが、この前なぜか「ちびまる子ちゃん」を読んでたら野口さんって子が出てて。本人は暗いのに「お笑い」が大好き。マリラも本人はマジメなんだけどアンの失敗が楽しくて仕方がない。怒りながら笑ってる。そっくりだなって。いや、これは余談…。)

 

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