例によって突然ですが、作家の名前で最強は誰だと思いますか?まあ基準としてはイメージというかパワーというか、全然うまく説明はできないのですが…。何と言ってもゴーゴリですよ。(二番はドストエフスキー。ロシア勢強し!)バルザックやダンテ、莫言(バクゲン)、スタインベック、アーシュラ・K・グインとかもいいんですけどね。弱いのはチェホフ、志賀直哉とか?いや、美しい名前だとは思うんです。でもね~。日本人で対抗できるのは海音寺潮五郎ぐらい?
ということで、船橋最強の読書コラム第10弾はゴーゴリ「外套・鼻」。「愚者」「俗物」「嘘つき」「利己主義者」等々、人間の醜さを書かせたらゴーゴリは天下一品なんです。(ということで、小説を人生の教科書とか栄養剤とか思ってる人は読まない方がいい!)「悪魔たちのうようよと群がり縺れる地獄図」(井筒俊彦)をゴーゴリの持つ天才的拡大鏡の力で分子、原子のレベルまで描き出す。そのことで「悲劇」は「喜劇」に転換します。金持ちも貧乏人も、紳士も淑女も、善人も悪人も不思議なブラウン運動ダンスを踊りだすのです。(ま、どうせ短いから、成人限定ですけど読んでみてください。18歳にはきついかな~。)